ゲンロンSF大森講座の第一回課題の実作、「永遠にさようなら」を書きました!人生で初めて書けた小説です!!!
人は誰もが人生を捧げて叶えたいような夢や大儀を持っている訳ではないと思います。けれども家族を支えるだとか自分が巡り合う何かを大事にして積み上げることで、どんな人でも信念のような何かを得られると感じます。
しかし長寿化の技術は、そのように僕たちが育て上げる何かを奪う危険があると感じています。人生をかけて築いたアイデンティティが長い時の力で風化したら、人はどう生きればよいのか執筆を通して考えました。
書きながらテーマが変化したので梗概から中盤以降は違います。タイトルは最後まで読むと「そういう意味か」と感じて頂けるかと。なお舞台のモチーフは五島列島です。
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一言でよいので、本ページの下の欄にコメント/感想/批評お願いします!悪い意見も良い意見も、一言でもすごーく嬉しいです!また匿名でのコメントも可能です!
細部に渡る描写が深い感動を与えてくれました。大きな起伏はないが、「人生の意味」や「軸とすべきもの」についていろいろ考えさせられました。次の作品も楽しみにしています!
とても励みになります!頑張って人にほのかに温かく感じてもらえる小説に向け邁進します( ・ิω・ิ)!
はじめての小説とは思えない本格的な作品で面白かったです。
全体的には時系列のダイナミズムも良かったですし、あとは解像度の高い描写で共感できる表現が多かったです。そういう描写は自分の実際の体験をベースにすれば表現しやすいと思いますが、全てがそうでないと思うのでそういう場合の想像力素晴らしいと思いました(普段から色々と思考されているのでしょう)。
最も息を飲んだのは16ページでの老牧師と海に行った際のところです。ネタバレになるので詳細は控えますが、老牧師「やっちゃうのか?!」と思いましたし、逆にここで実行しちゃっても面白かったなと思いました。
あと、以下は次の作品への期待を込めて偉そうですが気になった点も添えておきます!
・1ページ目のテロメアの説明がもう少し厚めにあってもよかったかもしれません。結構重要なテロメアの概念をここでしっかり読者に植えつけられるとのこの後の展開もより深く読めそうです。ただしこれは私の知能が足りていないことが理由かもしれません(笑)
・あと、もう少し間が埋まってもより面白ろそうでしたが、文字数が限られている作品でした。上記もそれが理由かもですね!
ありがとうございます!はい、16ページのところぐらいは、字数制限でかなり駆け足で。。。笑。本当は、主人公が信仰を得ようと努力し、でも葉子の経験から神を信じる気持ちに踏み切れず、信仰を得れない挫折をするものの、それを通して老牧師との関係が深まり、ある種の超越的な視点を持ってる老牧師の計らいで洗礼の儀式をする、というのを書きたかったです。いずれデビュー笑!したら、そこは追加してしっかり描きます!
序盤のテロメアの描写も、綿密に書きすぎるとそこで読者の頭が止まってしまったりリズムが崩れるので難しいところです!ただ字数がもっと書ければ、施術前の説明でも補足したりしたかったです(`・ω・´)。
拝読させていただきました。
齢62歳、60歳を過ぎて人生・死についてよくよく考えるようになりました。
死とは…そう、有限であるから、いつかは迎えるからこそ考えるのでしょうね。
うまく伝えられませんが、なにか私の中での変化を感じました。
ご活躍を期待しております。
コメントありがとうございます!
映画だって2時間ならおもしろい。まあドラマなら1シーズン16話で、5シーズンぐらいなら楽しいけど…200シーズンのドラマとか絶望ですよね。
がんばります!
一万六千字の字数制限と執筆期間の短さは承知のうえで、以下のように率直に感想を書かせていただきます。
「永遠にさようなら」感想
・こういう話を書こう、という意思が感じられる。
・葉子の人物像や口調が生き生きとしていて、読みやすく、また伝わってくるものがある。
・最初のシーン、印象的かつテーマに沿った台詞から始まり、また状況がよく理解できてよいと思う。
・散骨シーンの描写や悲しさと同時に乾いた感じは素晴らしく感じた。さらに連続するのもエモい気がする。
・後半、小さな島の生活とテロメア・それにまつわる問題の緩急は美しい。
・一方で、会話がぎこちないと感じる。
これは語り手側の発話に色がなさ過ぎて、彼の感情が乗っていかないからではないか。
ある人間の物語なのに、その人間がしっかりと迫ってこない。
・語り手が淡々としているのは、後半になると理由が明かされるため理解はできる。
しかし読者の感情やリーダビリティはまた別ではないかという気がする。
彼がもっと気持ちを乗せて書かれていれば、美しい物語になったのではないか。
・後半、彼の価値観や気持ちの変遷も、もっと率直に書いてしまっていいと思う。
・好みによるかもだが、終わり方はもっとエンタメに振ってもよかったのではないか。
これは物語に人の裏の意図や悪意が含まれていないと難しいかもしれないが。
・文章の話だが、〈彼女が言った〉のか〈私が彼女に言われた〉のかを意識的に使い分けできれば、一人称視点の伝え方の幅が広がると思う。
・これはたいしたことではないけれど、歌を歌う少年を時間経過後にもう一度出してほしかった。
それによって気持ちの変化あるいは非変化と、時間の経過を感じられればうれしかった気がする。
その他気になったこと
・就労が規制されていることについて、もう少ししっかり理由付けをしてほしかった。法と実態との兼ね合いなども含めて。
・科研費はこういう使い方はできないな……。複数年度予算といってもせいぜい数年だし、法と要綱に合っているか事務担当者もすごいチェックするし、検査院の監査もガチッとしてるし。
厚労省関係の恩給とか障害年金なんかにしてはどうでしょう。
・三点リーダの個数やクォーテーションマーク・クエスチョンマークの後ろに一文字空白を入れる、などは日本語小説を書く際にルール化されているので注意が必要。
・重箱の隅だし、世間でもあまり認知されていないが、「生徒」と「学生」は使い分けられるべき言葉だ。(関連法規:学校教育法)
日本では一般に、高等教育機関に在籍するものは学生と呼ばれ、一方で高校以下は生徒と呼ばれて分けられる。(細かいことを言うと、小学生は児童)
伝統ある大学などでは「学生注目!」という呼びかけ声があったりするが、これも意味のある言葉だったのだ。
私の想像だが、戦前の尋常より後の学校(主に旧制高校)に通うものを「学生さん」と呼んでいた習慣がいまだに影響しているのではないだろうか。
という訳で、大学に通う葉子に生徒と使うのは適切でない。
以上です。
本気のコメントありがとうございます。
すごく嬉しいです。
ただただご指摘の通りで頭が下がります。
・葉子の人物像が伝わったのは意外でした。語り手の会話に色がないというのは、指摘されるとそう感じます。最後まで淡々とせず、ここぞの場面で殻を破った方がよかった気もします。また〈彼女が言った〉のか〈私が彼女に言われた〉の使い分けや、ダイアローグ技術の手数を増やせば、同じ文字数でも洗練できるはずなので、がんばります。
・歌の少年も、1、2行でも登場を増やすことで深みが出たと思うので、そこも改善です。そこを書いている時に作者が主人公にフォーカスしすぎました。
・科研費は、非公開プロジェクトなるものがあるならOKかな、とは思ったのですが、確かに年金などの用語を使えば余計な違和感を生まなかったと思います。自分も他人の小説のリアリティに厳しいのですが、自分は見えないものですね。。。「生徒」も、今に冷静になれば生徒と言えば小中ぐらいのイメージとわかるのですが、言葉への注意がまだ足りてませんでした。
・終わり方は他の人にも同じ指摘を受け、自分にとって難しい課題だなぁと実感してます。作者が目指した読後感が「正解のない状況で自分だったらどうしただろうか」なので純文に寄せてます。ただこの講座で載せている以上、読者や講師陣の期待と被ってないのを自覚してます(商業作家を目指すならなおさら)。単純に今の自分が「登場人物の思考=作者の思考」しか書けない力量の問題もあります。
とりあえず自分の人生にまつわる幾つかの感情を供養して(笑)、その後に最終課題に向けエンタメにチューニングしていこうと考えてます。
ありがとうございました!
人生最初の小説としては次第点だと思うので、今週、頭なでなでしてください(笑)!
率直に人生初小説というのは、いい意味で驚きでした。細かくあれこれ書いてしまってすいません。餃子でもつまみながらお話ししましょう!
(Noteでご感想いただいたので貼ります。恩田)
道端拓也さま
https://note.com/jolly_dill460/n/n7a9ae93348c5
https://school.genron.co.jp/works/sf/2024/students/michibatatakuya/
◆恩田龍平「永遠にさようなら」
• 全体に優しく穏やかな文体なのに、明確に表現されていない背後関係に寒気をさせられる物語でした。(著者 恩田さんの思惑はさておき)
• 一読すると、妻が自身のキャリアによる転居や不妊によって、夫の人生に与えた影響を思い、夫のために二人で長寿命化しようとしたが、失敗。
妻は考えを改め、夫婦は穏やかに別離に至り、夫は紆余曲折を経て妻への思いから自身を解放。心の再誕を得る、という話のようにも読めます。
• しかし、この物語は、そうした「柔らかい人生の再発見、再始動の話」とだけ読むのではなく、妻の側の心情変化と夫の心情の不変(頑なさ、“マジメ”さ)の対比に、考えを突き詰めて読む必要があるのでは、と感じました。
• 結論として、私が寒気がしたのは「この夫婦が実は互いに本当の意味での愛情を持っておらず、そのことに互いに無自覚なのでは」という可能性にです。作中、発言と心情の描写で、主人公も妻も「相手の幸せを思っての言葉と行動」をしているように見えて、その実は互いにかなり冷酷な言動をしていると感じます。
1. 特にそれが表れ始めたと感じたのが、術後に夫だけが長寿命化してしまったことが分かった後の、夫による言葉の「いつまでも」の意味が決定的にそれまでと変わっているあたりからです。
2. ここは妻の意図した夫婦の再出発に反して、夫のマジメさゆえに夫の人生を文字通り永遠に縛ってしまった可能性に妻が気づくシーンなわけですが、自身の発言の意味に思いが至らない夫側の軽率さは、作中では最後まで後悔された形跡もなく、全く気づいてないのでは……? と思わされます。
3. その後、妻は自分を忘れるよう言ったり、葬儀を省略させ、散骨を速やかに済ませることを依頼しているので、その裏には、自分が夫の記憶に残りにくいようにすること、夫がその後の人生をリセットしてくれることを願っていると読み取れます。
4. にもかかわらず、主人公は圧倒的な鈍感さ(マジメさ)を発揮し、妻の思い出を忘れずに生きていくことが自分の人生と思い込み、妻の生前から死後まで、おそらく何十年もの間、その姿勢を崩しません。
5. 一方、妻は妻で再手術によって夫と共に長寿命の夫婦生活を送ることを拒否しており「自身への愛が夫の人生の永遠の枷となるくらいなら死ぬ」という態度にも見えます。
独り、妻に未練がある状態の夫を残してしまうことを心配するなら、せめて二人で歩んで夫の理想の夫婦像を満足させるという選択が何故為されないのか。何故? 二人での永遠は嫌なのか?
6. 自分が妻を忘れることが妻の幸せであると気付けなかった夫と、夫の愛情を永遠に受けることが夫の幸せだと気付けなかった妻。
不器用な二人なのだ、と簡単に片づけるには擦れ違いが重すぎる悲劇と見てしまいました。
これが作品の意図通りなのだとしたら滅茶苦茶怖いのですが、
私の読み違いなのだとしたら、むしろホッとするかもしれません。
以下は細かい点ですが、
• 舞台が日本で登場人物も全員日本人であるなか、相手のパートナーを前に下の名前で呼び合う悟と葉子の関係は最初、異様に見えました。
(その後、全登場人物間で同様のことが起きるため印象は和らぎますが)二人の男女関係についてのほのめかしもほぼ無いし、何もないのか、何かあるのか、あったのか、中途半端なもやもやがあるのは私だけでしょうか。夫は少なくともそのあたりを気にしているように見えますが、そのことに想像力が働かない妻の無神経さと、一方で夫の今後を気にする心の細やかさとのギャップもちぐはぐに感じます。
• 最後の方、出て来る宗教施設が教会であることが、やや、洗礼による再出発という物語の都合上の舞台装置に見えてしまいました。
寺院→仏教の教義→色即是空 空即是色→執着を捨てる→悟りを得る、ということもできたのでは。洗礼に相当する儀式がないから難しいのかな。
拙作、綿密にくみ取って頂き感激です!
・『「この夫婦が実は互いに本当の意味での愛情を持っておらず、そのことに互いに無自覚なのでは」という可能性にです。』
>そうかもです。「人生の意味≒愛、夢、etc.」と考えた時に、信念を得る事の難しさを描いてます。葉子はそこで充足されなかったので、新しい可能性や贖罪の意識で施術提案をします。幹人君は努力家ですがマジメすぎます。幹人君が自分の夢ではなく家族を支えることに夢を見出してしまうのは、専業主婦/主夫になることへのある種の危険(他者依存のアイデンティティを求めてしまうこと)の概念を背景に置いてます。
・幹人が河川敷でいった言葉が葉子を縛ってしまったのはその通りです。なので葉子は、なんて返すか言葉になりませんでした。
葉子が再施術を断ったのは、新しい何かを求めて傷つくことに臆病になってしまったことと、もし再施術も失敗したら幹人がダメになっちゃんじゃないかとか(それまでの島の生活で一応は幹人は受け入れてるので)、ある意味での彼のマジメさからくる不都合のためです。
また指摘の通り、葉子は「二人での永遠」にも恐怖を抱き始めてます。施術が成功しても、それで得た何かに感動しなかったらどうしようと怯えてます(これが幹人が考える「葉子が再施術しなかった理由」です。コテージの会話で言わせてます)。だから葉子のコテージの最後のセリフは「ごめんなさい」です。ただわかりにくいので悟との会話後の独白で一言追加してればよかったです。
また幹人の河川敷の言葉が葉子を縛ったことを本人は気づいてないので、これも悟に告げられた後の独白で後悔してもらえばよかったです。書き直すことあればそうします!
・最後の洗礼はご指摘の通り都合よいです(笑)。本当は、主人公が信仰を得ようと努力し、でも葉子の経験から神を信じる気持ちに踏み切れず、信仰を得れない挫折をするものの、それを通して老牧師との関係が深まり、ある種の超越的な視点を持ってるカンボジア出身の老牧師との対話と計らいで洗礼の儀式をする、というのを書きたかったです。あと島は五島列島です。
1.6万字に収まる物語感覚がなかったです。自分は書きながら物語がどんどん変わっていく人間だともわかり、字数制限は難しいなぁと感じてます。
・色々もやもやがあると思いますが、本作は「正解がない」ものでして、じわっとしたが、何かきゅっとして、深く考えたらどうなんだろう。。。と感じてもらうのが目指した読後感なので、ひとまず成功かもです!
雰囲気が柔らかく、読者の方々をそっと支えてあげられる温かい物語だと思いました!やはり商業作品と比べると気になる点はあったものの、他の方々の指摘以上のものは特にないです!
映画・ドラマ化してほしいほどに状況設定が巧みで情景描写が綺麗というのがこの作品の強みなんじゃないかなあと思います。牧師に海へ沈めてもらうシーンの美しさが一番読者の心に残るのではないでしょうか。その代わりテロメア施術の印象が薄いので、主人公と妻の開いていく歳の差の描写を情景描写と絡めて表現するのがいいのではないかと思いました。折角夫婦二人の時間を大切にしていたようですし、歳の差が広がりつつも様々なデートをして思い出を残す二人の姿を恩田さんの文章でたくさん読みたくなりました!
また、主人公は妻が亡くなった後も波打ち際を歩いたり漁船に乗ったりするなど海に関する何かをしていることが多いので、妻の名前を「葉子」ではなく「夏帆(かほ)」のような海をイメージさせる名前にした方がいいのではないかと思います。最後海に浸りながら名前を呼ぶシーンも、よりお洒落になると考えました!
文章に支離滅裂なところは無く状況設定がとてもお洒落ですので、磨けば光るところがたくさんあると思います!恩田さんの作品が人の目を引く宝石になるのを応援すると同時に、私も負けず頑張っていきます!
コメントありがとうございます!
情景描写がキレイと言われるのはとても嬉しいです!今は脚本メソッドを参考にとりあえず何とか小説を完成させていこうという段階なので、自然と展開が映像的になっていくのかもです。他方、文字となり劣化圧縮した映像をつなぎ合わせてる感もあるので(特に字数制限からも各シーンが超駆け足)、このやり方は限界があるなぁとも既にうすうす感じてます。
海へ沈めてもらうシーンは、途中で結末にすごい悩んで、主人公がどうすればいいのかわからず仏教の本とか読みだしたりもしたのですが。。。これほど考えてもわからないというのが一つの結論となり、ならもう海に沈んでよくわからんがリフレッシュしてもらうしかないなと、ちょっと強引な結末にしました。
デートシーンは、どうだろう!けっこう年の差がある状態になってて、二人ともリアリストだから、デートをするほど二人が悲しく感じちゃう気がして、そこは敢えて深堀してないです。
夏帆は、目から鱗です!エモいなぁ。でもそれぐらいエモさに踏み切った方がいいのかも。書き直すことあればかなり参考にさせて頂きます(`・ω・´)。
池田未那理さんからXで感想を頂いたので貼ります(恩田)
https://school.genron.co.jp/works/sf/2024/students/palebluedot/
https://x.com/cafe86005091/status/1857941458483032327
https://x.com/cafe86005091/status/1857942412955627876
https://x.com/cafe86005091/status/1857945901622501726
恩田さんの実作。登場人物の心情描写がリアルで作品全体を覆う不穏さ・やるせなさを感じた。創作でキャラの実在を感じられるかは大事な気がする。こういう性格のキャラはこういう発言をするはずだ、という納得感がある作品だと思いました。
大衆向けにわかりやすく伝えるならもう少しはっきり希望に転じる描写を加えるという選択肢もあるかもしれない。養子を断る、再手術を断る、ということにキャラは納得しているが読者は納得していないかもしれない。その先にある希望はキャラの行動と発言に現れているがあえて明示してしまうのも手かも。
とまぁ大衆向けにウケるには?マネタイズするには?という視点で批評家させてもらいました。
自分はキャラの心理描写が苦手なので今回の実作大いに参考にさせてもらいます!
コメントありがとうございます!
心理描写がリアルと言われるのはとても嬉しいです。そこは全く意識せずに書いたのですが、作品を書いている時に、プロットにそって進めていくよりも、書いているうちにその人のことが分かってくる気がして、その人やその人達ならどう言うだろうか/行動するだろうか、というリアルさを重視しながらシーンを埋めていきました。結果、中盤以降は梗概と全然かわったわけですが、そういう理由でプロットを書かない作家もいるらしいので、まあいいかな?とは思ってます(ただ字数制限が厳しい)。
大衆向けやマネタイズの観点は本当におっしゃる通りと感じてます。特に、今は単純に自分の力量で、「登場人物の思考=自分の思考や感覚」しか書けないことをご指摘をうけて感じてます。またそれによって展開や結末が、確かに自然かもしれないけれど、読書体験としてもやもやしすぎたり納得しないものになるなら、それは読者へのホスピタリティが足りてないということですね。
作者の僕の性格が社会のエンタメ感覚とシンクロしてればこの種の悩みは生じないと思うのですが。。。僕は基本的に物事を斜めに見ているので、趣味で書いたりゴリゴリの純文学に応募するならまだしも、この講座に来て勝負している以上、そこは徐々にチューニングしていく必要があると切に感じてます。
ありがとうございました!
生姜道之さまからコメント頂いたので貼ります(恩田)
https://school.genron.co.jp/works/sf/2024/students/ginger2024/
https://note.com/shougamichiyuki/n/nacbd4cf67d5e?magazine_key=m86eec2edec31
恩田龍平さん ”永遠にさようなら”
哲学的で、視覚的で、時間の流れを感じる作品だなと思いました。
狂言回し的な立ち位置に思えた悟というキャラクターがなんとなくよいな、と思いました。海や景色の描写にリアリティを感じました。
コメントありがとうございます!
哲学的、視覚的、時間の流れというのは、作品の軸として書いたので、そう感じてもらえたならかなり嬉しいです!
悟は、そもそも梗概の段階では考えてもいなかったキャラだけど、葉子が死んだ後の狂言回しがいないとシーンが動いていかないなと考えた結果生まれました。その後、幹人の硬直を崩す役割の人間も必要なので、それも悟に。。。と追加していったら、だんだん厚みが出てきました。
実は登場人物それぞれに2000字ぐらいのバックストーリーを書いていて、それをしてるうちに悟もだんだんリアリティが出てきたかもです。
読みました:)
引き込まれて一気に読みました。おすすめしてもらった縦書きPDFで。
技術のことはわからなくて、読者の私には十分に素晴らしいから、読書の感想です。
人が誰かを愛したときに、
その人が真面目ならなおさら、
その相手がいかに素晴らしいかを、本人に色んな言葉や表現で伝え続けることと、
自分は幸せだと相手に伝え続けること、さえを、
していったらいいよと、言いたいなと、思いました。
I love you「私はあなたを愛しています」の言葉や態度は、
相手に向けた途端に依存とowe/ownの重みと寄りかかり
4,50年ならもつかもしれないけれど永遠には耐えられない。
祈りと似ていて、神に伝えようと思ったら脆い。
自分に向けて唱え、自分の中の錨を確認するためにある言葉。
この施術があってもなくても、十分に寿命が長くなっている人生、
自分や人が幸せであるために、主体性と希望を、意図的に見つけにいこうと思いました。
感想ありがとうございます!
yさんのコメントを読んで、究極的に幸福とは、自己完結の達成で実現されるのか、相互依存の達成で実現されるのか、本当にわからないな!と自分も考えました。
人によって答えが違う、と言うのも一つの答えと思いますが、他者との相互依存に踏み切れないことにより、消極的に自己完結型の幸福に価値を見出すこともあるのかなと、個人的には感じたりします(漫画「プラネテス」の影響かもですが…)。
人間は他の哺乳類と比べて、生まれた瞬間から依存体質ですし!
いま世の中は色々な意味で自分で答えを見つけねばいけない時代に突入してるので、本作がyさんに何かの刺激を与えられたとしたらとても嬉しいです!
普段、あまり小説を読まない私がコメントするのも恥ずかしいですが、初めて書いた小説と聞いて驚くほど、物語とし完成していて楽しめました。
文字数制限のお題がある、ということを聞いて、腑に落ちましたが、物語として読ませる内容であるからこそ、おわりぎわが怒涛感があります。
それでも、想像ができる範囲の近未来感、2人の人生というトピックを十分に活かした物語だと思いました。
少し寂しい感じがする世界観の作り方が上手。とても気に入りました。
長編版を読みたいです。
ご返信がおくれすみません!
終わりぎわを怒涛感と感じて頂いて幸いです苦笑。
文字数制限の関係で最後だけすごい駆け足になってしまっていますが。。。
想像できる範囲の近未来感というのは自分の一つの取り組み方なので感じ取っていただいて嬉しいです。
物語に小さな嘘が一つあるぐらいのリアル感を目指してます。
少し長くなった版はいつか書きます!
結末がこのままなのかはわからないのですが。。。
でも実際にこういう人がいたら、これ以外の結末も考えられないような気もしますし。
とても面白く拝読しました。
一言では表せられない重層的なテーマ性が感じられ、読み応えのある作品でした。
構成もよく練られており、それぞれの場面が有機的に繋がって淀みなく流れるので読みやすい。得点を貰っても良さそうなものなのに、と思います。
気になったところを挙げるなら、なんとくなく幹人が受け身すぎるように感じました。
テロメア手術は葉子に提案されてのことですし、島で二人の生活を始めるのも葉子の手術失敗という状況を受けてのこと。旅行の提案も葉子からで、訪ねてくるのは悟から。寝ぼけているうちに事故にあって、ある意味仕方なく協会主催の扶助団体に参加する。
ラストに洗礼を受けて島を出るという選択をするのも、結局は直前の牧師の説教に感化されたから、と読める。
他の方とのコメントからエンタメを志向されていると思われますが、幹人が少しアクティブになるだけで、エンタメ度は増すんじゃないかと思います。(とはいえ、現状でもこれはこれで恩田さん流のエンタメになっていると思いますが)
ここからは私だったらこういうのも有りかな、ということなので、読み飛ばしていただいていいのですが、事故にあうにしても、別の船員をかばった結果、みたいなのはどうでしょう。そこで死を覚悟して、でも生き延びて、自分の取った行動の意味を考えて、何か考えが変わっていく、というような。テキトーですが。
現状だと、事故が牧師と出会うための仕掛けにしかなっておらず(そしてやはり幹人が状況に流されている)、少し勿体ないかなあ、と思った次第です。
ここから先は細かく気になったところ(ほぼ言いがかり)で、私の主観が大いに入っているので、やっぱり読み飛ばしていただいていいです。
・”寝転がる葉子が言った”でテレビでも見ながら話してるのかな、と思ってしまったので、ストレッチと論文が出てきて少し混乱しました。間に映画とかテレビを連想させるワードも出てるので。(テレビなら、ねえ見て、で入るでしょうから、私の誤読ですが)
・同じ人の会話の連続を「」で区切る手法もあると思いますが、誰が喋っているのか一瞬混乱しました。
・”それに施術が成功した場合、妊娠が出来る身体となるかもしれないの”は、ちょっと話し言葉っぽくないかもしれません。”施術に成功すれば、妊娠だってできるようになるかも”とか
・”それに―””それはどういう―””そんなことが…”と、短いくだりの中でいい淀みすぎ、かつ説明っぽいかもしれません。
・”研修医”と言い切っているのは少し違和感が。私は入院したことがないのですが、一目で研修中と分かるものなのでしょうか。
・”やあ葉子~”のセリフは、研修医っぽいのが実は同僚だということはこの後明かされるので、普通に読むと”壮年の医師”が言っていると思ってしまう気がします。その後に研修医が話しかけた、とはありますが、下手すると読み流されてしまって、話者が誰か分からなくなりそう。驚きを与えたいのなら、もう少し手当が必要かと。
・髪だけ白くなるのはなんでかなと思いましたが、調べるとメラニン色素を作る細胞が問題なくても、色素が毛髪の細胞に移るのに異常が生じる、みたいなことがあるんですね。
・”母親を大事にしろ!”は、ちょっと言わせてる感が…。
・コハクのシャンプーの後、”コハクにご褒美をあげ”~”泥まみれや草塗れになって”までをリアルタイムだと思って読んでいたので、説明に入っていると気付かず、またもやシャンプーをねだって、乾かして、となって少し混乱しました。
ご返信がおくれすみません。
非常に綿密なコメントありがとうございます!
・本当にご指摘の通りで、主人公が受け身すぎるというのはどうやら自分の一つの弱点のようです(この次に書いた『この世界のまぼろしに』という作品でも先輩より指摘されました)。ある意味で全てが偶然に頼りすぎているともいえ、物語の深さを増すなら改善ポイントだと自省してます。特に、主人公が自らの意思で行動を起こした結果(自分から妻に施術を勧めるとか、おっしゃる通り、自戒の念から他人をかばって足を失うとか)、自分の選択や決断に対処して物語が動いていく方がドラマ性も絶対的に高まるはず。一人称の主人公を悪い人にしたくないエゴがあるのかも。。。ご指摘ありがとうございます。なんとかします。
・また何がエンタメか、も悩みますが、少なくとも何かはちゃんと救われて気持ちいい、ぐらいが良い気がします。なおこの次の作品は、全員が救われ、ちょっと都合よすぎる、と先輩よりコメント頂きました苦笑。
・「寝転がる葉子がいった」等、単純に自分の描写力不足(客観力不足)です。何かのイメージを読者に提示して、次のイメージにいくならそこは丁寧に描く必要があると自省してます(作者のイメージとしては、絨毯で横向きに寝て論文よみながら、次に足を開いてストレッチをはじめた、でした)。
・「施術が成功した場合~妊娠」のくだりも、現状、セリフが芝居っぽくなっているようです(他の方にも言われました)。これはもう丁寧に経験を積むしかない気がします。ご指摘、たいへんありがとうございます。
・「それに」「それは」なども、会話のリズムが悪いのと、”説明”しすぎだなぁと振り返り思います。”説明”でなくても明瞭化する手段はあるでしょうし、全てをその場で明瞭化しなくてもよいので、ここもただただ改善あるのみです。
・「研修医」や「やあ葉子」の下りも、単純に雑でした。意図としては、いかにも研修医に見える若い人が実は同僚で、しかも(主人公の勝手な)第一印象は悪い、としたかったのですが、それをやるなら丁寧にすべきと自省してます。
・メラニンの問題は、これもどこまで厳密に調べて書くのか迷いましたが、あくまで細胞が限りなくエラーなく永遠に分裂するよう遺伝子編集するので、色素とかミトコンドリアには関係ない、というイメージでした。
・母親を大事にしろ、は芝居すぎでした。。。
・シャンプーの後~、ご褒美をあげ~なども、光景を切り替えているのに説明不足という自分の癖のようです。映画などの短い映像の切り替えでシーンをつないでいく感覚なのかもしれません。ここも読者とシンクロできていないので、ただただ改善あるのみです。
・なお得点をもらえなかった理由は、ケンリュウの『アーク』に似ているからだそうです。似ないように敢えて読まずに書いたのですが、それでも似てしまったのならしょうがないなーです。
お礼おくれまして大変もうしわけありません。
とても参考になりました!!!
引き続き書き続けます!